中国の呉江浩駐日大使は「中日関係は国交正常化以来、最も複雑な状況に直面している」と指摘し、建設的な両国関係の発展を要望した。1972年の「国交正常化以来、最も複雑な状況に直面」しているとして、米国の中国対抗策に「追随」しないよう日本側を牽制した。

呉大使は日中関係の現状について「米国が他国を引っ張り込んで、中国を封じ込めようとしていることが最大の外部要因」だと主張した。日本政府が12月16日の臨時閣議で「国家安全保障戦略」で中国の動向を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と記述したことについて「中国の脅威を喧伝することで軍事拡充をしている」と防衛費増額に懸念を示した。


■　呉江浩
93〜98年、02〜08年在日本中国大使館勤務、駐スリランカ大使やアジア局長を経て20年から外務次官補（対日外交）、23年駐日中国大使。