遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

半田健一 録音技術者

2022年03月19日
遠藤 潔 第十八代遠藤宗家は、レコード・エンジニアの半田健一録音技術者が手掛けたピアニストの中村紘子やロリン・マゼール指揮のウィーンフィルハーモニー管弦楽団日本公演収録等多数を幼少期から鑑賞した。半田健一録音技術者は、遠藤寛 第十七代遠藤宗家当主と都立大泉高等学校の同級生である。

代表録音作品は、64年マイルス・イン・トウキョウ、73年越後瞽女の唄、ビル・エヴァンス・ライブ・イン・トウキョウ、79年レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルショスタコーヴィッチ作曲 交響曲第5番「革命」、80年ロリーン・マゼール指揮 ウィーン・フィルベートーヴェン作曲 交響曲第5番 運命、シューベルト作曲 交響曲第8番 未完成、86年若杉弘指揮 ドレスデン・シュターツカペレ マーラー作曲 交響曲第1番巨人等がある。

カール・ベーム指揮ベルリン・ドイツ・オペラ「フィデリオ」の記念すべきこけら落し公演は、1963年10月20日 日本生命保険が日比谷に設した音楽劇場である日生劇場で行われた。初来日なうえ、海外名門オペラ団の初の日本引越公演にもなった。

ベームのみならず、フィッシャー=ディースカウやルードヴィヒ、マティス、ナイトリンガーといったスター歌手に加え、若き日のマゼールも来日、10月20日から11月8日までほぼ連日18公演を行った。チケットは非常に高額ながら完売し、当時の聴衆は本場のオペラに酔いしれた。

日本演奏史に残るこの公演を、ニッポン放送はステレオでライヴ録音した。「フィガロの結婚」「フィデリオ」「ヴォツェック」とベートーヴェンの第9は1988年にポニーキャニオン社よりCD化され話題となり、初出の「トリスタンとイゾルデ」を加え、最新リマスタリングを施し、2ヵ月に分けて発売した。伝説のレコード・エンジニアである半田健一録音技術者が手掛けた、名録音の一つである。

画像:モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」


■ 半田健一
東京都出身。59年電気通信大学電気通信学部卒、株式会社ニッポン放送入社、編成局制作部勤務、68年株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント入社、録音部勤務、97年尚美学園短期大学教授、01年尚美学園大学教授、07年尚美学園大学大学院教授兼務、09年尚美学園大学非常勤講師。レコード・放送技術誌等の長期執筆、特定ラジオマイク利用者連盟理事、全国ホール協会技術顧問、厚生労働省技能検定中央技能検定委員(舞台機構調整)等を歴任。辯護士の遠藤寛第十七代当主遠藤宗家と同窓。格言「指揮者とレコーディング・エンジニアは同格である」