遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2021年09月07日
現在、10人に9人もの人々が汚れた空気を吸い、毎年約700万人が早死にしていますが、そのうちの60万人は子どもです。私たちが決定的な行動を取らなければ、この数は2050年までに倍増するおそれがあります。

多くの社会悪と同様に、大気汚染はグローバルな不平等を反映しており、死者の大半は低・中所得国や、より豊かな国々の相対的に貧しい地域で発生する大気汚染に関連しています。貧困により、人々は工場や幹線道路など、汚染源の近くで暮らすことを余儀なくされます。

また、貧困により、30億の人々が調理や暖房、照明用に固形燃料や灯油を燃やし続けています。私たちの健康を損なっている汚染は、気候危機も悪化させています。しかし、大気汚染は解決することができるのです。

「青空のためのきれいな空気の国際デー」にあたり、私はすべての国々が大気環境の改善に一層取り組むことを呼びかけます。モニタリングを改善すれば、大気汚染源を特定することができます。

エビデンスに基づいた国内法を制定することで、世界保健機関(WHO)の空気質ガイドラインの基準を満たすことが可能になります。そして、車両や発電所、建設、産業に関する排出基準を強化することで、汚染を削減することができます。

先日、世界的に有鉛ガソリン利用の段階的な廃止が完了したことを私は歓迎します。私たちは、クリーンな調理とクリーンな暖房へのアクセスも加速させなければなりません。

私たちは、化石燃料の代わりに再生可能エネルギーに投資しなければなりません。石炭の利用は、段階的に廃止しなければなりません。そして私たちは、ゼロ・エミッション車に移行しなければなりません。

私たちがこれらの対策を講じれば、今世紀中に最大1億5,000万もの命を救うとともに、私たちの空気をきれいにすることが可能になります。きょうも、そしていつの日も、私たちが吸う空気をきれいにするために協力し、人々と地球の両方を守ろうではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。