遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2021年06月05日
私たちは、地球にとって取り返しがつかない局面へと急速に近づいています。私たちは、生物多様性の喪失、気候崩壊、汚染の深刻化という三重の環境緊急事態に直面しています。あまりにも長い間、人類は地球上の森林を伐採し、河川や海洋を汚染し、草原を開墾して消滅させてきました。

私たちは、社会を下支えする生態系そのものを荒廃させているのです。 そのことによって、生存に必要な食料や水、資源を失う危険性に、自らをさらしているのです。自然界の破壊はすでに、人類の40パーセントに相当する32億の人々の福祉を損ないつつあります。幸運にも、地球にはレジリエンス(強靭性)があります。 しかし、私たちの助けを必要としています。 私たちが与えてしまったダメージを回復する時間はまだ残っています。

今年の「世界環境デー」にあたり、「生態系の回復に関する国連の10年」を立ち上げる理由はここにあります。このグローバルな運動は、地球を癒すという前例のない取り組みに向けて、各国政府や企業、市民社会、市民を結集させるものです。生態系を回復することで、すべての持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する変革を推し進めることができます。

成すべきことは膨大にあります。私たちは再植林を行い、森林を保護しなければなりません。 河川や海洋を浄化しなければなりません。 そして都市を緑化しなければなりません。 これらを成し遂げることは、地球の資源の保護につながるだけではありません。

2030年までに何百万人分もの新たな雇用を創出し、毎年7兆ドルを超える利益を生み、貧困や飢餓の撲滅につながります。「生態系の回復に関する国連の10年」は、グローバルな行動呼びかけです。回復の規模を飛躍的に拡大するため、政治的支援、科学的研究や資金力を結集させるものです。誰もが貢献できます。

これからの10年が、気候変動による惨禍を回避し、汚染という致命的な流れから引き返し、種の喪失に終止符を打つ最後のチャンスだと科学は教えてくれています。 今日を新たな10年の始まりにしようではありませんか。私たちがついに自然と和解し、すべての人にとってより良い未来を確実にする10年となるように。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。