遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

藤崎一郎 元駐米大使

2021年01月26日
中曽根康弘世界平和研究所理事長の藤崎一郎元駐米大使は、歴史的に見れば米国は「大統領が変われば米国は変わる」と強調した。

その実例として(1)民主党のジョンソン大統領は、北ベトナムを爆撃。国連代表部に台湾を入れた、(2)共和党のニクソン大統領は、ベトナム和平をまとめ、電撃的に訪中した、(3)民主党のクリントン大統領は、北朝鮮に対しKEDO(北朝鮮軽水炉)を供与した、(4)共和党のブッシュ大統領(親子)は、KEDOを廃止。イラク戦争を展開した、(5)民主党のオバマ政権は、イラク戦争を否定。TPPを推進(未加盟)、パリ協定、イラン核合意に参加、さらにキューバと国交を回復した、(6)共和党のトランプ大統領は、オバマ政権の成果をほぼ全面否定したと列挙した。

藤崎理事長は、バイデン政権の対中国政策について「冷戦の罠にはまらず協力する分野は協力し、『是々非々』を貫く。トランプ政権の一本調子の強硬策は大きく転換され、コペルニクス的転回もある」と予想した。さらに「先を見て常に可能性を考えなければならない」と強調した。1957年から60年代初頭にかけての朝海浩一郎駐米大使は「日本があずかり知らぬ間に、頭越しに対立中の米中両国が手を握る状態が訪れるだろう」と予想した。この発言が「朝海の悪夢」と話題を呼び、朝海大使退任後のニクソン政権において現実となった。

また「トランプ路線の対中政策をそのまま踏襲すると決め付けたり、豊富な外交・議会経験のあるバイデン氏を『スリーピング・バイデン』と揶揄してはならない。思い込みは排さなければならない」とも語り、深く歴史的な考察をせずに方向付けする一部メディアに苦言を呈した。


■ 藤崎一郎
上智大学特別招聘教授・国際戦略顧問、一般社団法人日米協会会長(第9代)、公益財団法人中曽根康弘世界平和研究所(NPI)理事長、一般社団法人日本外交協会理事。69年外務省入省、70年英語研修(米国ブラウン大学、スタンフォード大学)、72年在インドネシア大使館三等書記官、OECD代表部一等書記官(パリ)、大蔵省主計局主計官補佐、84年情報調査局安全保障政策室長、85年情報調査局分析課長、86年 経済局国際エネルギー課長、87年在英国日本国大使館参事官兼ロンドン総領事、90年外務大臣官房参事官、91年外務大臣官房在外公館課長、92年外務大臣官房会計課長、94年アジア局外務参事官、95年在アメリカ合衆国日本国大使館公使(政務担当)、99年北米局長、02年外務審議官(経済担当)、05年ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使、08年在アメリカ合衆国特命全権大使、12年辞任、13年上智大学特別招聘教授・国際戦略顧問、慶應義塾大学特別招聘教授、13年一般社団法人日米協会会長、伊藤忠商事株式会社取締役、日野自動車株式会社顧問、13年第2回世界オピニオンリーダーズサミット出席、14年新日鐵住金株式会社取締役、日本放送協会国際放送番組審議会委員、17年学校法人北鎌倉女子学園理事長、18年中曽根康弘世界平和研究所理事長。