遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2020年12月12日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、必要な時に、必要な場所ですべての人に質の高いサービスを提供できる充実した医療制度が、すべての国にとってどれだけ重要かを私たちに示しました。

私たちは今年、感染力が強く、死に至ることも多い新たな病気によって医療施設が圧倒されればどのような悲劇が生まれるかを目の当たりにしています。また、この緊急事態に対応することでシステムが限界に達し、がん検診や定期予防接種、母子に対するケアなど、その他の必須サービスを提供できなくなっていることでも、悲劇が生まれています。

2030年までにユニバーサル・ヘルス・カバレッジを実現するという私たちの目標を達成するためには、はるかに多くの取り組みをさらに行わなければなりません。

それは、医療費の増額を意味します。しかし同時に、医療従事者を守り、インフラを整備することから、病気を予防し、自宅に近い地域社会で医療を提供することに至るまで、より良く資金を使うことも意味します。医療制度に投資すれば、将来の保健緊急事態への備えと対応力を向上させることもできます。

保健緊急事態は、社会から隔絶された脆弱な立場の人々に不当に大きな影響を及ぼします。COVID-19の新たなワクチンやテスト、治療法が利用可能になった時、それらを必要とする人すべてに届けなければなりません。今年のパンデミックは、誰もが安全でない限り、誰も安全でないことを私たちに教えてくれたのです。

パンデミックへの対応にあたり、私たちは迅速で革新的な医療提供アプローチやケア・モデル、準備態勢強化の様子を目にしました。私たちはこの経験から学ばなければなりません。

「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ国際デー」にあたり、私たち全員を守る医療制度に投資することにより、この危機に終止符を打ち、より安全で健康な未来を構築することをいま誓おうではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。