遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2020年12月01日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機に世界の関心が集中する中で、今年の「世界エイズ・デー」は、その出現から40年近く経った今も、私たちに影響を及ぼし続けているもう一つの病気の世界的大流行(パンデミック)も注視し続ける必要性を改めて痛感させています。

顕著な成果こそ見られるものの、エイズの緊急事態は終わっていません。今でも、毎年170万人がHIVに感染し、約69万人が命を失っています。しかも不平等によって、自身の権利を主張するために立ち上がることが最も困難な人たちが、最も影響を受けやすいという状況が続いています。

COVID-19は世界に対する警告となりました。健康面の不平等は、私たち全員に影響するからです。すべての人が安全でない限り、誰も安全ではありません。

HIVへの対応は、COVID-19対策の大きな参考になります。エイズに終止符を打ち、COVID-19に打ち勝つためには、スティグマ(偏見)や差別をなくし、人々を中心に据え、私たちの対応を人権とジェンダーに配慮したアプローチに根づいたものとしなければならないことがわかっています。

貧富の差によって、人々が必要な医療を受けられるかどうかが決まるべきではありません。私たちは誰でも、どこでも金銭的、物理的に利用できるCOVID-19ワクチンとHIV治療、ケアを必要としているからです。

健康は人権の一つです。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成するためには、健康を投資の最優先課題としなければなりません。今年の「世界エイズ・デー」にあたり、世界はCOVID-19を克服し、エイズに終止符を打つために連帯し、責任を共有しなければならないことを認識しようではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。