遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

アントニオ・グテーレス 国連事務総長

2020年11月19日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、感染症の蔓延を食い止めるうえで、衛生と安全な水、手洗い施設がどれだけ大切かを改めて痛感させる出来事となりました。誰もが衛生的で安全、かつ持続可能な衛生施設を利用できるべきです。すべての人の健康を確保できる方法は、それ以外にありません。

しかし、いまも世界の42億人が依然として安全な衛生施設を使えていません。このうち、世界人口の4分の1を超える20億人は、基礎的な衛生施設さえも欠いており、これが健康や尊厳のほか、経済開発も根底から損なっています。

しかし、衛生面で飛躍的な改善を遂げることは可能です。トイレの普及や、下水の処理・利用の改善を含むプログラムを通じ、一世代の間に衛生施設やサービスを一変させた国も多くあります。こうした国では、保健制度や経済、さらには環境にも波及効果が生まれました。

すべての人に水と衛生を普及させるために必要なコストは、世界の国内総生産の1.5%に相当しますが、これによって投資1ドル当たり4ドルを超える収益という、大きな経済的利益も生まれると見られます。

COVID-19のパンデミックのようなショックに対処するためには、現在の衛生サービスを強靭なものとしなければなりません。私たちが今すぐ行動しなければ、気候危機によって何百万もの人々の衛生サービスが混乱することになるでしょう。衛生サービスを未来に適したものとするため、私たちには革新的な思考が求められているのです。

「世界トイレ・デー」にあたり、今日の、そして将来の世代のために、全世界の数十億の人々に健康と衛生を届けるための行動を取ることを決意しようではありませんか。


■ アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官(UNHCR)等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。