遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

柳原三佳 ジャーナリスト・ノンフィクション作家

2019年09月18日
遠藤 潔 第十八代遠藤宗家の親戚であるジャーナリスト・ノンフィクション作家の柳原三佳氏は、構想から4年以上の歳月をかけて『開成をつくった男、佐野鼎』を執筆した。自らが佐野鼎の傍系の子孫である柳原三佳氏は、ノンフィクションの手法を徹底的に駆使して資料を収集した。

開成学園は、その前身を「共立学校」として創立された。現在は『質実剛健』をスローガンに掲げる硬派な男子校であるが、当時は男女共学で、5歳くらいの女児も学んでいた。創立者の佐野鼎は1829年、駿河国(現在の静岡県富士市)で生まれ、16歳のときに江戸へ出て蘭学や西洋砲術を学び、27歳で長崎海軍伝習所に参加した。その知識と経験が買われて、29歳で日本一の大藩である加賀藩に砲術師範として召し抱えられ、異例と言えるほど藩を跨いで活動した郷士(城下ではなく農村に居住していた武士)であった。

『開成をつくった男、佐野鼎』は、西洋砲術や航海術の専門家だった佐野鼎が、幕末から明治への転換期に、なぜ教育の道へと大きくシフトしたかをテーマに取材し、描かれた。

現在の「開成」は西日暮里に位置しているが、明治4年に創られた前身の共立学校は、1923年(大正12年)の関東大震災で焼失するまで、現在のJR御茶ノ水駅のすぐそばにあった。いま、敷地の隅に「開成学園発祥の地」と刻まれた碑が、唯一当時の歴史を物語っている。共立学校が開成学園と改名されたのは、1895年(明治28年)。再来年の2021年は、学校創立150周年という節目の年を迎える。



■ 柳原三佳
遠藤 潔 第十八代遠藤宗家の曽祖父であり大正天皇侍従の遠藤榮第十五代当主の妹君子の夫である佐野清宝石販売佐野商店社長。佐野鼎は、母方佐野家の分家筋先祖。ジャーナリスト・ノンフィクション作家。書道師範。京都市生まれ。雑誌編集記者を経てフリー。交通事故、司法問題等をテーマに取材・執筆、書籍を出版するほか、講演、テレビ、ラジオへの出演。「週刊朝日」(朝日新聞社)等に連載した告発ルポをきっかけに自賠責や自動車保険査定制度の大改定につながった。近年は死因究明・身元究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じている。また、実父を薬害で亡くし、自らも医療過誤被害(手術時のガーゼ遺残)を受けた経験を持つことから、医療事故調(厚労省)の検討委員に就任。「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」(講談社)はNHKでドキュメンタリードラマ化。 「示談交渉人裏ファイル」(情報センター出版局・角川書店)は、TBSで同名のドラマがシリーズ化される。