遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

隈研吾 建築家

2016年02月02日
2020年東京五輪・パラリンピック主会場の新国立競技場をデザインする建築家の隈研吾氏は、旧計画案のデザインを担ったザハ・ハディド氏からスタンド構造や座席の配置などで類似が指摘されていることに「法令を順守して緻密に計算すると、どの方が設計しても同じ所に落ち着く」と述べ、改めて反論した。

隈氏は、8万人の観客が短時間で避難するには客席数を分散して配置できる3層構造のスタンドが「最も合理的」と説明した。隈氏によると、ザハ・ハディド案が採用された当初のデザインコンクールでも最終審査に残った11作品のうち7作品が3層構造であるとした。

座席レイアウトや柱の位置などが似ているのも、通路幅などが法令などで定められているためと説明。「著作権の専門家に聞いても問題ないと言われている」と強調した。

また、大会後の利用推進に旧計画のような開閉式屋根の設置が可能かを問われ、隈氏は「今の構造では補強しないといけないが、対応できないわけではない」と述べた。


■ 隈研吾
01年慶應義塾大学教授、09年東京大学教授、97年「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」日本建築学会賞受賞、同年「水/ガラス」アメリカ建築家協会ベネディクタス賞受賞、02年「那珂川町馬頭広重美術館」フィンランド・スピリット・オブ・ネイチャー 国際木の建築賞受賞、10年「根津美術館」毎日芸術賞受賞、近作にサントリー美術館、根津美術館。著書に「自然な建築」(岩波新書)「負ける建築」(岩波書店)「新・都市論TOKYO」(集英社新書)。