遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

磯田道史 国際日本文化研究センター准教授

2018年06月05日
国際日本文化研究センターの磯田道史准教授は、公文書をザイルに例えると「1本のザイルが切れても、他のザイルが残っていれば頂上にたどり着くことができる。同じように公文書が沢山残されていれば、不備が出た場合も真相を明らかにすることができる」と述べ、日本のような国が欧米並みの制度を持てないわけがないと語った。

磯田准教授は、「『記録』とは、病状に対する『カルテ』という意識を持つ必要がある。公文書とは、国民にとっての『カルテ』。それは国民の財産であり、政府は開示すべき。国民の側も、悪いことが書いてあったとしても、批判するのではなく、政府と一緒に国を良くする『データ』とらえ、最善の治療法を一緒に考えるべき。カルテをなかったことにしたり、隠蔽したり、改ざんすることは、例えば重篤な病気や悪性の病気を「良性です」と改ざんすることになる。記録をいい加減に扱うことは、『国家が死ぬ』ことになり、国民が死にかねない」と強調した。


■ 磯田道史
04年茨城大学人文学部助教授、07年茨城大学人文学部准教授、08年国際日本文化研究センター客員准教授、07年読売新聞読書委員、永青文庫評議員、12年東京歯科大学客員准教授、静岡文化芸術大学文化政策学部准教授、14年静岡文化芸術大学教授、16年国際日本文化研究センター准教授。18年「明治150年」に当たり、今上天皇・皇后へ進講。03年著作『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』第2回新潮ドキュメント賞受賞、10年第15回NHK地域放送文化賞受賞。15年『天災から日本史を読みなおす』第63回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。