遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

更田豊志 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)廃炉総括監

2025年12月10日
原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の更田豊志廃炉総括監は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉進捗について「政府と東京電力は2051年の廃炉完了を目標としているが、燃料デブリ取り出しの本格作業に着手できていない」と述べ、取り出した廃棄物の保管場所が敷地内で不足する可能性など、今後の課題について強い懸念を示した。

デブリの取り出し工法については「原子炉建屋全体を水没させる『冠水工法』は、耐震性や漏水リスクの観点から困難と判断されており『気中工法』で進めざるを得ない」と説明した。現在は「横アクセス」を主軸とし、上部からのアクセスは補助的に用いる考え方が主流になりつつある。

また、これまでの調査分析により、格納容器上部の「シールドプラグ」が極めて高濃度に汚染されていることが判明し、特に2号機と3号機では10〜20ペタベクレル(環境中に放出されたセシウム137の総量に匹敵または凌駕するレベル)の放射能量があると見られ、廃炉作業の困難さを示している。

更田豊志廃炉総括監は、現在の福島第一原発の状況について「崩壊熱は十分に下がっており、冷却という点では空冷でも十分」と述べた。燃料が再び溶融するようなエネルギーはなく、運転中の原子炉に比べればリスクは低いとしつつも、建屋の劣化や将来の地震への備えが必要があり、放置はできないとの認識を明らかにした。事故の根本原因として、スリーマイル島やチェルノブイリの事故を「対岸の火事」と捉え「日本では起きない」とした慢心があったと振り返った。



■ 更田豊志
82年東京工業大学(現・東京科学大学)工学部機械物理工学科卒業、87年同大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻博士課程修了、工学博士、87年日本原子力研究所入、88年サンディア国立研究所駐在、01年日本原子力研究所企画室調査役、03年日本原子力研究所安全性試験研究センター原子炉安全工学部燃料安全研究室長、05年日本原子力研究開発機構安全研究センター原子炉安全研究ユニット長、09年総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会原子炉安全小委員会安全評価ワーキンググループ委員、10年日本原子力研究開発機構安全研究センター副センター長、11年原子力安全・保安院高経年化技術評価に関する意見聴取会委員、12年日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門副部門長12年環境省原子力規制委員会委員、14年環境省原子力規制委員会委員長代理、17年環境省原子力規制委員会委員長、22年環境省原子力規制委員会参事、23年原子力損害賠償・廃炉等支援機構燃料デブリ取り出し工法評価小委員会委員長、23年東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻上席研究員(教授相当)、23年日本原子力学会原子力安全部会幹事、24年原子力損害賠償・廃炉等支援機構上席技監、25年原子力損害賠償・廃炉等支援機構廃炉総括監督、国際原子力機関国際原子力安全諮問グループ(INSAG)福島第一原子力発電所事故の情報収集と分析に係るOECD/NEAプロジェクトFACE運営会議議長等を歴任。