遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

大鳥精司 国立大学病院長会議会長

2025年10月27日
国立大学病院長会議の大鳥精司会長(千葉大学医学部附属病院長)は、大学病院の抱える経営悪化の窮状を訴えた。大島会長は「医学部付属病院は、大学予算の65%を占めている。ここが赤字を垂れ流すと大学全体のキャッシュが無くなり、全職員の給与の支払いができず事実上倒産になりかねない」と危機感を露わにした。

また一方で、大学病院の経営悪化がもたらす患者へのデメリットについて「医療機器が更新できない、CAR-T細胞治療もできない、ロボット手術もできないとなると、古い治療法で高い医療を選択せざるを得ず、入院在院日数も伸びる可能性もある」と指摘し、国や自治体に早急な対応策を求めた。

2024年度は全国42病院のうち約7割が経常赤字に陥り、その額は合計で286億円と過去最悪となった。このほど発表した2025年度の収支見通しでは、赤字幅はさらに拡大、全体で400億円超の経常赤字になる可能性がある。

さらに、医薬品総額に対する高額医薬品(10万円以上)の割合をみると、DPC対象病院(大学病院本院以外)の15.2%に対し、大学病院本院は28.5%となり、大学病院本院の割合が年々増加傾向を示している。

大鳥会長はその理由について「高額な医薬品を使う患者が大学病院にどんどん集まってきている。その結果として医療費率が上昇し、大学病院の経営が大変なことになってきている」と訴えた。


■ 大鳥精司
千葉大学大学院医学研究院整形外科学教授、同大学副学長兼任。同大学医学部附属病院長。一般社団法人日本腰痛学会理事長。一般社団法人国立大学病院長会議会長。94年千葉大学医学部卒業、01年に同大学大学院医学研究科修了、博士(医学)。02年米カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学後、03年千葉大学大学院医学研究院整形外科学助教、16年を教授、24年病院長。