自民党総裁選（10月4日投開票）に立候補した5候補は、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席した。物価高対策をはじめとする経済政策や成長戦略、社会保障制度改革、外交・安全保障政策などを巡り幅広く論戦を交わした。

討論会は2部構成で進められ、第1部では各候補者による基本的なビジョンの表明と候補者同士による討論、第2部では日本記者クラブ企画委員との質疑が行われた。基本的なビジョンの表明では、各候補者がキーワードをフリップに書いて1分以内で発言した。

小林鷹之候補は「『頑張れば報われる』という実感を」と主張を掲げた。「現役世代や中間層をしっかり支援し、頑張れば報われるんだいう実感を持ってもらうことが、次なる成長につながり、社会がさらに強くなると信じている。日本の力はこんなものではない。世界の真ん中に日本を立たせるために頑張りたい」と訴えた。

茂木敏充候補は「国民の求める結果を出す」と主張を掲げた。「まずは当面の物価高対策やガソリンの暫定税率の廃止をはじめ、スピーディーで効果のある政策を実行に移していく。経済の好循環をつくることで物価高を上回る賃上げを確実に実施していくことが、国民の求めていることではないか。これを速やかに実行に移していく」と述べた。

林芳正候補は「経験と実績で未来を切り拓く」と主張を掲げた。「わが党や日本を取り巻く状況は決して明るいものではない。しかし私は『夜明け前が最も暗い』という言葉を信じたい。みんなでこの暗い状況を一致団結して乗り越えていく。『夜明けは近い』という日本を実現していきたい」と力を込めた。

高市早苗候補は「『戦略的な危機管理投資』で、経済成長へ!」と主張を掲げた。「今や世界の潮流はさまざまなリスクを最小化するために官民でしっかりと投資を行う方向に向かっている。日本もそうあるべきだ。日本はまだまだ成長できる。『日本を世界のてっぺんへ』と訴えながら頑張る」と語った。

小泉進次郎候補は「インフレ対応型経済運営」と主張を掲げた。「今の状況は、デフレからインフレの局面にある。まずは物価高対策としてガソリンの暫定税率を廃止し、所得税も基礎控除等などを物価や賃金に上昇に合わせて引き上げ、インフレ対応型にする。物価を上回る国民所得の上昇を実現していく」と訴えた。


総合司会 ：小栗泉
第1部司会：山下毅
代表質問 ：橋本五郎、伊藤宏、佐藤千矢子、奥村茂三郎
※日本記者クラブ企画委員