人工知能（AI）とデジタル技術は、私たちの生活のあらゆる側面に変革をもたらしています。警察活動もその一つです。今年で3回目となる「警察協力の国際デー」にあたり、私たちはテクノロジーが公益に資するものでなければならないことを再確認します。

AIを含むデジタルツールは、捜査の強化、司法へのアクセスの拡大、犯罪やテロリズムの防止の支援など、強力な能力を提供します。責任を持って使用することで、世界各地の警察組織の有効性、透明性、説明責任を強化することができます。

しかし近代化は、価値観に根差したものでなければなりません。これらのツールは、人権を擁護し、偏見を軽減し、国際法を遵守する形で導入されねばなりません。

重要な決定においては、決してテクノロジーが人間の判断に取って代わったり、奉仕する人々に献身的に仕える、訓練された、専門的かつ倫理的な警察官の役割が損なわれたりすることがあってはなりません。警察が日々行っている、人の人生を変え得る決定においては、人間性をその中核に据えなければならないのです。

信頼を再構築し、コミュニティーに根差した警察活動を促進し、あらゆる人々にとって安全で公正な未来を築くために、協力を通じてイノベーションを活用しようではありませんか。


■　アントニオ・グテーレス
ポルトガルの政治家。第9代国際連合事務総長。同国の首相や社会主義インターナショナル議長、国連難民高等弁務官（UNHCR）等を歴任。96年ブラジル南十字星勲章大十字、97年ポーランド共和国功労勲章大十字、98年ウルグアイ東方共和国勲章大将校、99年メキシコアステカの鷲勲章特別懸章、00年ベルギーレオポルド勲章大綬章、スペインカルロス3世勲章大十字、ギリシャ名誉勲章大十字、01年イタリア共和国功労勲章大十字、01年チリ功労勲章大十字、カーボベルデアミルカル・カブラル勲章1級、16年ポルトガル自由勲章大十字、02年スペインイザベラ・カトリック女王勲章頸飾、ポルトガルキリスト勲章大十字、フランス国家功労勲章大十字、ポルトガル南十字星勲章大頸飾、日本旭日大綬章、チュニジア共和国勲章大綬章、イタリアヤロスラフ賢公勲章1等等を受章。