遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

但木敬一 元検事総長

2025年06月04日
但木敬一元検事総長は、現在の司法の問題点について「一番難しいのは、取り調べのあり方。個別の事件、個別の被疑者は、取調官と相対関係の中で決まっていく。真実解明の義務は、今の時代も検察官は負わなければならない」と指摘した。

黙秘している被疑者に対し、長期間勾留することで自白を強要する人質司法については「人質司法は、本当にやめた方がいい。人質を取ることによって、自白を迫ったりすることは、今の時代に許される話ではない」と述べた。

2014年の法制審議会特別部会では、居住先の指定など条件を課す代わりに、身柄拘束しないで捜査する「中間処分制度」を創設すべきか議論になったが、警察や検察出身の委員から「証拠隠滅の恐れが高まる」との否定的な意見が相次ぎ、見送られた。

但木敬一元検事総長は、1969年に東京地方検察庁検事に任官。法務省で官房長、事務次官を歴任し、東京高等検察庁検事長を経て、2006年6月~08年6月まで検事総長を務めた。法務省の官房長時代に「司法制度改革審議会」の内閣への設置に携わり、その後の裁判員制度の創設、新たな法曹養成の道筋に関与した。


■ 但木敬一
69年検事任官(東京地方検察庁)、79年東京地方検察庁検事・法務大臣官房人事課付、81年東京地方検察庁検事・法務省刑事局付、84年法務大臣官房司法法制部参事官、87年法務大臣官房司法法制部司法法制課長、91年法務省刑事局刑事課長、92年法務省刑事局総務課長、93年法務大臣官房秘書課長、96年大分地方検察庁検事正、97年法務大臣官房長、02年法務事務次官、04年東京高等検察庁検事長、06年第23代検事総長、08年定年退官、08年弁護士登録(第一東京弁護士会)、08年森・濱田松本法律事務所客員弁護士(2017年迄)、08年財団法人矯正協会会長、09年内閣官房安心社会実現会議メンバー、09年イオン取締役、09年大和証券グループ本社監査役、日本生命保険監査役、10年検察の在り方検討会議委員、11年福島原発事故独立検証委員会有識者委員、12年フジタ監査役、14年慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話の政府による検証チーム座長、18年T&Tパートナーズ法律事務所客員弁護士、19年関西電力第三者委員会委員長。