遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

細川護煕 元首相

2025年05月29日
首相時代の1933年にウルグアイ・ラウンドでコメ市場の部分開放を決めた細川護熙元首相は、令和のコメ騒動について「米価高騰の問題は、現状分析が間違っている。農水省の転換政策の失敗説が幅をきかせているが、それは違う。ウクライナ戦争の影響で肥料や農薬が高騰し、農機具の更新もあって、生産コストが上昇して、生産が減って、不足が生じているのではないか」と指摘した。

そのうえで「米価が下がらないようにという配慮が優先して、消費者である国民への視線が全くない。そういう備蓄米放出の仕方に問題があった」と全農が9割落札する体制に苦言を呈した。

細川元首相は解決策として「政府の買い戻しをやめて、1社あたりの上限を決め、全農以外が入札できる。もう一つはウルグアイ・ラウンド米(海外からの輸入米)の活用。年77万トンのうち、10万トンの多くは飼料用だが、これを主食用に回したら直ちにコメ不足は解消する。飼料用は、アメリカからトウモロコシを輸入すべきである」と提言した。

小泉進次郎農水相の備蓄米放出については「小売店頭価格が下がるが、随意契約による政府の市場介入により、副作用や後遺症が出る。安い価格で放出したことで、新米価格を引き下げる効果、農家所得にも影響が出る。農家の所得補償制度は、コメ産業の競争力強化という政策目標にも矛盾する。食糧安全保障の基盤強化を目指す農政の長期的な方向性とも矛盾する」と述べ、懸念を示した。


■ 細川護煕
63年朝⽇新聞社⼊社、社会部記者、68年朝⽇新聞社退社、71年参議院議員、83年熊本県知事当選、91年臨時⾏⾰審部会⻑、92年⽇本新党結成代表就任、92年参議院議員、93年衆議院議員、93年第79代内閣総理⼤⾂任命、94年第79代内閣総理⼤⾂辞任、94年⽇本新党解党、98年衆議院議員辞職、99年作陶を始める、01年⽇本橋壷中居、京都古美術柳にて初個展 (以降、国内各地、パリ、ニューヨークなどで個展開催)、09年油絵を描き始める、12年襖絵の制作を始める、京都地蔵院に瀟湘⼋景図襖絵8⾯を奉納、14 年東京都知事選挙出⾺落選、京都建仁寺正伝永源院に四季⼭⽔図襖絵24⾯を奉納、18年奈良東⼤寺に⽩⽂華厳経唯⼼偈6曲2双屏⾵を奉納、19年奈良薬師寺慈恩殿に東と⻄の融合障壁画66⾯を奉納、21年京都⼤本⼭建仁寺に瀟湘⼋景図襖絵24⾯を奉納、22年京都⿓安寺に雲⿓図襖絵32⾯を奉納(残り8 ⾯は2023年春奉納)、東京美術倶楽部にてウクライナ難⺠⽀援、チャリティ・オークション 細川護熙展を開催、23年京都南禅寺天授庵本堂に⾚壁⾈遊図襖絵8⾯を奉納、京都⿓安寺に雲⿓図襖絵8⾯を追加奉納し、全40⾯となる、24年和歌⼭ ⾼野⼭總持院表席⼤広間に四季⼭⽔花⿃図襖絵32⾯を奉納。現職、公益財団法⼈永⻘⽂庫理事、公益財団法⼈鎮守の森のプロジェクト理事⻑。