国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、パレスチナ自治区ガザで27日に始まったイスラエルと米国が主導する人道支援物資の配給について「公平性や独立性を欠き、人道原則に反している」と非難し、6月以降も国連の支援拡大が必要だと述べた。

ラザリーニ事務局長は、重い物資を運びながら長距離移動ができない住民は支援を受け取れないとことについて「最も脆弱な人を除外する仕組みだ」と指摘した。配給拠点が限られ、住民に移動を強いる状況を非難した。

27日、ラザリーニ事務局長は石破茂内閣総理大臣と面談し、日本からの人道支援活動が持続的に確保できるよう緊密に連携し、深刻な危機に直面するパレスチナ難民の支援に取り組んでいくことを確認した。


■　フィリップ・ラザリーニ
89年赤十字国際委員会(ICRC)南スーダン、レバノン、ヨルダン、ガザ代表、99年ジュネーブユニオン・バンケール・プリヴェ銀行入社、マーケティング部門責任者、03年イラクモスル国連人道問題調整事務所(OCHA)エリアコーディネーター、アンゴラ、ソマリア、パレスチナ占領地OCHA事務所長、10年ニューヨーク市OCHA本部調整・対応部門副部長、13年ソマリア国連事務総長副特別代表、国連常駐・人道調整官、国連開発計画(UNDP)常駐代表、15年レバノン副特別調整官、常駐・人道調整官・UNDP常駐代表、20年国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の新事務局長。