遠藤潔の活動報告

第十八代 遠藤宗家 遠藤潔

宮内庁 管理部大膳課

2025年03月02日
園遊会は赤坂御用地で催される社交会で、天皇・皇后が主催し、皇太子・同妃または皇嗣・同妃をはじめとする各皇族も列席する。

招待客は内閣総理大臣、国務大臣、衆議院議長・参議院議長及び副議長、主な国会議員、統合幕僚長、最高裁判所長官、裁判官、その他に認証官など三権各機関の要人、都道府県の知事・都道府県議会の議長、市町村の首長・議会の議長、各界の著名人(芸能人、著者など)、功績者(勲章受章者、メダリストなど)と、その配偶者を含めた約2,000名である。

宮内庁大膳課が園遊会に用意する献立は「オードブル、サンドイッチ、ちまき鮨、海苔巻鮨、ジンギスカン、焼鳥、御料牧場生産品(ソーセージなど)、フルーツカクテル、洋菓子、クッキー、つまみ物」。飲み物は「日本酒、ウイスキー、ビール、ポンチ、オレンジジュース、紅茶、日本茶、ウーロン茶」が通例である。

園遊会で使用される肉は、一般には出回らない皇室専用の牧場「御料牧場」で育った子羊である。御料牧場とは、皇室の日頃の食事をまかなうための食材をつくっている。羊、牛、豚、鶏が伸び伸び放牧されおり、野菜は無農薬の約20種である。その他、ヨーグルトやチーズ、牛乳、ハム、ソーセージなども作っている。

春と秋の二回、赤坂御苑で催される園遊会や、皇室における国賓のご接遇での宮中晩餐を始め、国内外の要人をお招きされる午餐、茶会など宮中の儀式・行事の際は、宮内庁管理部大膳課が饗膳を供する。大膳課職員は国家公務員の組織で、一般公募はしておらず、欠員が出ると現職や関係者などの推薦により補充される。

また、御三家ホテルである帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニなどにも調理、配膳人員の要請をし、天皇皇后両陛下始め皇族方、並びにその賓客への飲料、料理の配膳に従事する。また、天皇陛下及び内廷にある皇族方のご日常のお食事については、配膳従事員が供進に関することを担当している。

饗宴の儀は、国事行為として行われる「即位の礼」の儀式の1つで、合わせて4回行われることになっている。天皇陛下は燕尾服を着用し、大勲位菊花章頸飾・大綬章と桐花大綬章・正副章、また時には瑞宝大綬章の副章も合わせた計5点の勲章を佩用する。

配膳従事員は、新年祝賀行事、講書始の儀、歌会始の儀、午餐、晩餐、園遊会、文化勲章受章者等茶会を始めとした宮中の儀式・行事において配膳に従事する際は、配膳従事員職服である燕尾服を着用する。(制式:昭和44年4月)

1回目の饗宴の儀に出席する外国の元首や王族などには、天皇皇后両陛下から記念品として純銀製のボンボニエールが贈られる。ボンボニエールは、金平糖などの菓子を入れるふた付きの容器で、皇室では明治時代以降、皇族の結婚式といった慶事の祝宴などの出席者に贈る習わしがある。ボンボニエールの制作は、創業1880年(明治13年)の銀製品専門店である銀座の宮本商行が、担っている。