2月26日～3月2日の日程で外務省賓客として来日したポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は、停戦が実現した場合にウクライナが求めている平和維持部隊の派遣について「われわれの最も重要な任務は、ロシアとベラルーシとの国境を守ることだ」と強調し、自国の軍を派遣することについては消極的な姿勢を示した。

そのうえで「ポーランドはウクライナに部隊を派遣したいと考える国々のための、後方支援拠点であり続ける」と述べ、ポーランドとしては国内の飛行場や鉄道などを提供し、各国の部隊の派遣を後方から支援するとした。

また、停戦交渉に向けた動きが活発になっていることについて「停戦交渉は人々が考えているよりもはるかに困難であり、プーチンが侵略を止めるまでには時間がかかるだろう」と指摘し、今後もウクライナ支援の継続が欠かせないと訴えた。

シコルスキ外相は、ウクライナのNATO加盟について「NATO加盟国には『他の加盟国に対する攻撃を自国への攻撃ととらえ対応する』という取り決めがあるも、一方的にウクライナの安全が保証されるものではない」と述べた。そのうえで「それでも加盟を望むのであれば、支持したい」と語った。


■　ラドスワフ・シコルスキ
86年英国紙（「The Spectator」、「The Observer」）特派員（アフガニスタン、アンゴラ、ユーゴスラビアに滞在）、90年サンデー・テレグラフ紙ワルシャワ特派員、90年ルパート・マードック顧問（対ポーランド投資担当）、92年国防次官（NATO加盟交渉担当）、98年外務次官、02年米国エンタープライズ研究所（AEI）常駐研究員、05年上院議員（無所属）、05年国防大臣、07年下院議員（無所属）、23年外務大臣。