ニュースリリース|2009年

緒方貞  国際協力機構 (JICA)理事長

2009.05.25
国際協力機構(JICA)の緒方貞子理事長は、アフガニスタンやパキスタンがテロ組織の温床とされていることに関連し「(国民の)収入を増やすことでタリバンなどの浸透を防げる」と述べた。テロ対策としては農業開発やインフラ整備などの援助により経済基盤を改善することが重要との考えを強調した。

米オバマ政権の対アフガン政策については「前政権は軽視していたが、国際機関やほかの国々との連携を重視する態度が出てきた」と評価。政府開発援助(ODA)の供与実績で日本の国際順位が低下傾向にある点に関して緒方理事長は「相互依存が強まっており、一国平和主義は通用しない」と指摘し、日本の増額や順位回復が必要との考えを示した。

JICAは昨年10月、従来の青年海外協力隊の派遣などに加え、円借款も手掛ける組織に拡充。緒方理事長は「(援助手法の)幅が広がり、新しいチャレンジができるようになった」と語り、ボランティアや民間企業とも協力して、援助対象国の実情に合わせた支援メニューの提供に力を入れる意向を明らかにした。


●緒方貞子
日本の国際政治学者。学位は博士(政治学、カリフォルニア大学バークレー校)。独立行政法人国際協力機構理事長、上智大学名誉教授。国連人権委員会日本政府代表、国連難民高等弁務官、アフガニスタン支援政府特別代表を歴任。

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