2009.04.09
麻生太郎首相は9日、環境、医療、介護などの分野で経済成長や雇用創出を図る「未来開拓戦略」を明らかにした。「低炭素革命」や「健康長寿社会」の実現、アニメなど「日本の魅力発揮」の3つを柱に「官民による集中的な投資と大胆な制度改革を実行する」と強調。今後3年間で40兆−60兆円の需要と140万−200万人の雇用を創出。2020年には実質GDP(国内総生産)を120兆円押し上げ、400万人の雇用機会をつくるとしている。
首相は「世界的な大調整が避けられない中、日本が旧来型品目の輸出に依存した成長軌道に復帰するのは現実的ではない」との認識を表明。その上で、日本の環境技術を生かし「低炭素革命」を実現させるとして、20年までに(1)太陽光発電の規模を20倍(2)新車の2台に1台はエコカー−とする方針を打ち出した。
また、「しっかりした医療・介護サービスを提供できれば世界に冠たる活力ある高齢化社会がつくれる」と述べた上で、介護労働者の待遇改善や施設の集中整備、地域医療の立て直しに取り組む考えを強調。海外でも人気が高いアニメやマンガの販路開拓に取り組み、日本のコンテンツ産業を「20年には一大産業に育成し、50万人の新規雇用を創出したい」と訴えた。一方、首相は、人口減少に直面する日本にとってアジア市場の重要性を指摘。「国境を越えて、アジア全体で成長する視点に立つことが大事だ」として、アジアの経済規模を20年までに2倍にする成長構想を提示した。
具体的には、日本の金融機関のアジアへの融資を円滑にするため、2兆円の貿易保険枠を新たに設定すると表明。最大2兆円の政府開発援助(ODA)を供与する考えを重ねて強調した。また、首相は一連の政策を12日にタイのパタヤで開かれる東アジア首脳会議(サミット)で提案する考えも明らかにした。
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