2015.08.01
遠藤 潔 第十八代遠藤宗家の父である遠藤寛 第十七代当主遠藤宗家は、弁護士として人権擁護に関する様々な活動、各種法律改正に関する調査研究・意見提出、消費者被害救済、公害・環境問題への取組、刑事手続改善の活動、市民に開かれた司法とするための司法改革運動などにも積極的に従事している。
遠藤寛弁護士は、弁護士のアイデンティティは「プロフェッション」性、すなわち、高度の専門性と公益的性格にある。したがって、弁護士には市民から信頼されるに相応しい学識、応用能力と弁護士職の公益的性格の自覚が求められる。そのようなプロフェッション性から導かれる「質」を確保するためには、必要な水準に達しない者にまで弁護士資格を付与することがないように、司法試験の合格者数を、法曹養成制度の成熟度に見合うものにしなければならない。また、「市民にとってより身近で利用しやすく頼りがいのある司法」を実現するためには、現実の法的需要や司法基盤整備の状況ともバランスの取れた法曹人口の「適正さ」を確保すべきであると語った。
現状では、法曹養成制度の成熟度、現実の法的需要、司法基盤の整備状況のいずれに対しても、また裁判官・検察官の増員の程度と比べても、弁護士人口増員のペースが急激であり過ぎる。そのため法曹養成過程における「法曹の質」の維持への懸念、新人弁護士の「就職難」等によるOJT不足から実務経験・能力が不足した弁護士が社会に多数増えていくことへの懸念、法曹志望者の減少などの深刻な問題を引き起こしている。市民のための司法を実現するためには、これらの問題を解決する必要がある。そのためには、いまや法曹人口の急増から「状況に応じた漸増」へと、速やかに移行すべきであるとした。
将来的な法曹人口は、現実の法的需要や司法基盤整備の状況、法曹の質などを定期的に検証し、その検証を踏まえて司法試験合格者数についても定期的に検討すべきであると述べた。
●遠藤寛
第十七代当主遠藤宗家。弁護士(第一弁護士会9065号)。海事補佐人(668号)。59年中央大学法学部法律学科卒業、61年司法試験合格、62年最高裁判所司法試験研修生、64年弁護士登録、65年第一弁護士会図書委員、67年同司法制度調査委員、68年同人権擁護委員、69年同役員選挙規則改正に関する委員、70年同分離修習阻止実行特別委員、71年同司法の独立に関する特別委員、日本弁護士連合会特別委委員、72年第一東京弁護士会会館委員、73年同選挙管理予備委員、74年海事補佐人登録、76年同選挙管理予備委員、77年日本弁護士会機構改革答申検討委員、79年同機構改革答申検討委員、84年東京三弁護士会交通事故処理副委員長、東京都弁護士協同組合保険部会副委員長、85年日本医科大学兼任講師、日本法政学会(民事法学)、86年第一東京弁護士会消費者問題対策委員長等を歴任。14年日本弁護士連合会表彰等受賞。
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