2013.04.17
アウン・サン・スー・チー氏は、「私の発言は派手でない。不満に思う人、退屈に感じる人は多い」と認める。
スー・チー氏は、幽閉されてなお軍政に抵抗を続けた民主化の星というより、新生ミャンマーの国づくりに地道に取り組む実務家だった。そして、「私は大統領になりたい」と語った。国を正しく指導することは自らに課した使命なのだろう。「建国の父」と崇められる実父のアウン・サンは、独立を見ずに暗殺された。スー・チー氏は英国人の夫が末期がんで余命いくばくもないことを知りつつ、祖国にとどまった。実父の夢を引き継ぎ、自らを国に捧げる決意は揺るぎないようだ。
大統領になるには軍の同意を取り付けることが不可欠だ。憲法はスー・チー氏排除のため、外国人の家族を持つ人物の大統領資格を認めていない。軍は憲法改正に拒否権を持つ。
スー・チー氏は最近、「軍は好きです。父が作ったわけですし」と公言し、今年の国軍記念日の軍事パレードに初めて参列した。記者会見では、「軍人の考え方は規律や指令の順守であり、心配はありません。最大の障害は軍事専制に染まった思考様式なのです」と述べた。国軍の改革派とは手を組む姿勢である。
●アウン・サン・スー・チー
ミャンマーにおける非暴力民主化運動の指導者、政治家。現在、連邦議会議員、国民民主連盟中央執行委員会議長。13年京都大学名誉フェロー、93年オックスフォード大学名誉博士、91年ノーベル平和賞受賞。
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