ファトゥ・ベンソーダ 国際刑事裁判所(ICC)検察官
2012.10.17
国際社会の名において、大量虐殺や人道に対する犯罪などの責任者を裁く。これを可能にした国際刑事裁判所(ICC)の設立は、大げさに言えば人類史にとって画期的なことだ。ファトウ・ベンソーダ検察官は設立からの10年を「国際社会の大きな成果だ」と振り返った。
西アフリカの小国であるガンビア出身であり、ルワンダ国際刑事裁判所など国際司法分野の経験が長い。6月に検察官に就き、ICC検察局を率いる。10年前に5人のスタッフで始まった検察局は現在、300人を抱える。
捜査対象は継続中の紛争や武力衝突であり、証人やスタッフの安全確保に神経を使う。ダルフールではスーダン政府の協力が得られず、捜査は17カ国で行われた。現地語を法廷に耐える英語に翻訳する苦労もある。
ICCの裁判権は、原則として加盟国の領土内か国籍者しか及ばない。非加盟国への捜査は、その国がICCの裁判権を受け入れるか、国連安全保障理事会の付託が必要となる。「非加盟国のシリアは捜査ができない
ICCはこれまでいずれもアフリカの7地域における15事件を捜査し、29人を起訴。一人には判決も出ている。地域的な偏りに批判もあるが、「裁判権の範囲内では同じ基準を適用している」と訴えた。121カ国が加盟するが、アジアや中東の加盟国は少ない。安保理常任理事国の5カ国のうち、米国、ロシア、中国が加盟していない。
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