ニュースリリース|2012年

横倉義武 日本医師会会長

2012.05.16
横倉義武日本医師会会長は、終戦後、住民の強い求めを受けて診療所を開設した父の後ろ姿を見て育ち、その後病院を受け継いで地域医療に取り組んできただけに、「地域医療の再興」を訴える声には熱がこもる。「現在策定中の新しい地域医療計画は、国が方針を決めて地方に従わせる従来のやり方ではなく、医療資源が異なる各都道府県がそれぞれの実情に合わせて作るよう改めるべきだ」と述べた。

「政権との距離はあまりに近過ぎると振り回される。スタンスはあくまでニュートラル」と述べ、環太平洋経済連携協定(TPP)への対応については「過去の経緯から国民皆保険制を危うくする恐れがあり、しっかり歯止めをかけるよう政府に求めていく」と原則的な立場を強調する。

「かかりつけ医をもつよう国民に啓発する」「救急医療から回復期、慢性期、在宅療養まで切れ目のない医療・介護の連係体制を構築する」など、厚生労働省の施策と重なる主張も多い。「日医と厚労省が同じことを言うのは極めて珍しい」と会場から指摘されると、「現場の意見を政策に反映させてほしいという長年の主張が受け入れられた」と切り返した。

その一方で、高齢化の進展をにらんで地域医師会にも地域連携の要として汗をかくよう求め、医師会主導の地域連携で知られる広島・尾道や地域ぐるみの認知症対策に取り組む福岡・大牟田の例を挙げて、「先駆的な地域をモデルに、全体のレベルを高めていきたい」と語る。



●横倉義武
第19代日本医師会会長。日本医師連盟委員長。元古賀誠自由民主党衆議院議員後援会長。

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