2015.06.29
警察庁の金高雅仁長官は、特定危険指定暴力団工藤会への対策について「組織のトップを死刑や無期懲役にし、二度と組に戻れない状態をつくり、恐怖による内部支配を崩していこうという戦略を明らかにした。徹底した捜査を遂げるということで臨んでいる」と述べ、極刑の適用に言及する異例の表現で組織壊滅に向けた決意を語った。
金高長官は工藤会について「全国的に荒っぽい犯罪はかなり減ってきているが、工藤会は凶暴性をむき出しにした犯罪を繰り返してきた。全国から警察官を送り込み、事件化を目指してきた」と説明した。
上納金をめぐる脱税容疑でトップらを逮捕した事件にも触れ、「上納金があるから、トップは犯罪で手を下さずに膨大な資金が入ってくる。このヤクザの基本構造に打撃を与える捜査だ」と強調した。他の暴力団への適用については「上納金の実態が工藤会と同一ではないかもしれないが、各県警の捜査で必要な証拠が入手できれば、国税庁、検察と力を合わせ立件は十分可能だ」とした。
国会審議中の刑事司法改革関連法案には、通信傍受の対象犯罪拡大や、司法取引の導入が盛り込まれている。金高長官は「暴力団の上の方を狙っていくためには、新たな捜査手法を使いこなせるようになれば大きな意味がある」と期待感を示した。
●金高雅仁
78年警察庁入庁、89年警察庁警備局外事第一課、90年在イタリア日本国大使館一等書記官、98年富山県警察本部本部長、99年神奈川県警察本部警務部長、09年警察庁刑事局長、11年警察庁長官官房長、2013年警察庁次長、15年警察庁第25代長官。
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