ニュースリリース|2011年

井上萬二 人間国宝

2011.06.03
井上萬二氏は、白磁の重要無形文化財保持者(人間国宝)である。

白磁の世界は「完全さ」が求められる。一切の加飾に頼らず、やわら滑らかな造形だけで、端正さ、温かさ、凛とした風格を表現する難しい。「形そのものが文様」という井上萬二氏は、白磁の神髄を追い求めてきた。

白磁の第一人者、有田焼ろくろ成形の名手、そして平成7年の「人間国宝」認定。その妙技をたたえる称号は数多いが、井上萬二氏は自戒の念もこめて「名陶無雑」という言葉を口にする。

白磁は平凡な形が一番難しい。「芸術家はテクニックよりもアイデアというが、伝統工芸の世界では用と美を兼ね備えて初めて人間性あふれる作品が生まれるものと信じている」。今もひたすらろくろの前に座り、一点のゆがみも許さない。「名器に雑念はない。あるのは技術と感覚だけ」。自己を厳しく律し、大きな陶土の塊に鋭い眼光を向ける。



●井上萬二
日本の陶芸家。68年日本伝統工芸展入選、71年日本陶芸展入選、87年日本伝統工芸展 文部大臣賞受賞、95年人間国宝認定、97年紫綬褒章受章、02年西日本文化賞受賞、03年旭日中綬章受章、日本工芸会参与、有田陶芸協会長。

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