2015.05.26
齋藤隆元統合幕僚長は、日本は作戦面では専守防衛に徹するべきだと指摘した上で、「リスクを伴わない選択肢はなく、出るであろう“戦死者”にどのように向き合うか、冷静な対応が必要になる」と強調した。
日本は作戦面で専守防衛に徹するべきであり、装備面では過剰な専守防衛からの解放を志向する必要がある。やられてから攻撃するべきである。カードとして保持するが使うのは我慢し抑制的であるべきだ。
日米の戦略基盤の在り方については、日米が得意とする分野の相互補完が必要である。例えば米国は軍事技術、日本は民生技術を中心に得意分野で協力すべきだ。日米ともに経済的に厳しい状況に陥っており、軍事予算を拡大できる状況にはない。
日米協力の強化策として、リスクを伴わない選択肢はなく、リスクを最小限に抑える努力が必要。現場の指揮官レベルでは「任務」と「事態のエスカレート抑制」の間のバランスある判断力が重要となる。政治レベルではシビリアンコントロールが重要。現場と政府を結ぶリアルタイム通信強化が重要だ。国家国民レベルでは、リスク増大に伴い出るであろう“戦死者”にどのように向き合うか。掃海艇派遣、テロ特措法、イラクへの自衛隊派遣などで、今まで戦死者が出なかったのは僥倖だったが、これからはそういうわけにはいかなくなり、冷静な対応が必要になると語った。
●齋藤隆
第2代統合幕僚長、第27代海上幕僚長(戦後生まれ初の統合幕僚長)
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